1人の技術者になるまで
―現在、入社何年目で、今までどんな仕事をしてきましたか?
入社して4年目で、機械加工の仕事をしています。
入社してすぐの2、3カ月は、組立で工具の使い方や測定を学びました。その後2年間、三軸CNC制御のマシニングセンタを使って粗加工(仕上げ加工をする前の大まかな形状をつくる加工)を担当していました。
━━現在の仕事内容について詳しく教えてください。
エンドミルという工具を使ってチャックのツメと呼ばれる部品に別の部品を通すための穴を空けたり、本体と組み合わせるための溝を加工して、最後にバリ取りをしています。特に「置き爪」と呼ばれる部品では、全体の9割ぐらいの製造を任せてもらっています。
━━マシニングセンタを用いた加工は難しくないですか?
はじめは難しいと感じていました。しかし、三軸のCNC制御のマシンといっても、加工作業の時には一軸ずつ動かす感じなので、そんなに難しいものではないと感じます。具体的に、まず、加工する素材に合わせて、工具や加工条件を決めます。次に、自分で考えたり、前任者が残したものにアレンジを加えたりしながら、1日1~2個のペースで加工プログラムを作ってマシンを動かしています。機械加工というと、職人さんが一つずつ手作業で仕上げるイメージがありますが、CNC(コンピュータ数値制御)のマシンを用いた加工はどのように機械と工具を動かすか、を考えることが多いんですよ。
━━仕事で大変だと感じるところを教えてください。
そうですね。たとえば、単純に穴加工といっても、深い穴や浅い穴があります。切削加工は切りくずが出るので、一気に深い穴をあけようとすると詰まってしまいます。なので、一回の加工ではこれくらい、という風に何回かに分けるといった工夫をしています。試行錯誤しながらベストな加工方法を身に付けるのは大変ですが、逆にそれがやりがいにもなっています。
失敗から始める成長
━━現在の仕事に関して、入社後のどんな経験が役立っていますか?
仕事での失敗が一番仕事で役に立っています。たとえば、一度、測定器具の使い方を間違えて、部品を削りすぎてしまったことがあります。先輩から部品を削りすぎていると指摘が入り、正しい測定器具の使い方をその場で教えてもらいました。
おかげで大事には至らなかったのですが、その後はかなり測定方法に気をつけるようになりました。ほかには、先輩から同じ名称の機械でも、使用年数などによって、個々の加工位置や性能に少しずつズレが生じてしまうため、早めに機械ごとの癖を覚えることが大切だとも教えてもらいました。
━━学生時代にはどんなことを学んでいたんですか?
法学部に通っていました。ゼミでは医事法や病院の経営について学んでいました。今の仕事とは全く関係ありませんが(笑) 。
━━未経験から製造技術の仕事を覚えられたのですね。
はい。未経験からのスタートではあったものの、3カ月で標準品の理解ができるようになり、1年経てば、ひと通りのことができるようになりました。今ではやるべきことの判断も一人で下せるようになり、プログロムの打ち方も分かるようになりました。
━━現在の仕事のやりがいはなんですか?
時々、どうやって作んのこれ?ってなるくらい難しい部品があります。それを上手くいくかテストを繰り返したり、分からなければ他の人に聞いたりして、形にしていくことにやりがいを感じます。完成すると、ようやったな俺、って嬉しくなりますね。
比較的、簡単な加工でも、一発で公差(機械加工において許される最小~最大の誤差)に入るとそれだけ時間を得したな、と思います。
━━現在の仕事の厳しさとは何ですか?
工作機械の加工でコンスタントに図面に指示された、とても細かい公差に入れ続けることと、加工した部品のバリ取りなど、手作業でも機械と同じように均一な加工をすることです。
今でもドリルで部品に上手く穴を開けられなくて、部品を傷つけてしまうこともありますし、バリ取りの角度が均一に仕上がらないこともあります。悩みは尽きないですね。
━━仕事のストレスはどんな風に発散されていますか?
ゲームですね。ポケモンだったり、バイオハザードだったり。他にもFPSとか、何でもやりますよ。カワタテックについて
━入社を決めた理由は何ですか?
実はもともとカワタテックに入社するつもりはなかったんです。大学4年の夏までに、大手も含めて3社から内定をもらっていたんですが、社員寮の生活が合わなくてホームシックになってしまったんです。なので、11月に「家から通える会社」に絞って就活を再開しました。興味のある企業が参加していた大規模な合同説明会を受けに行きました。ですが、会場の中で道を間違え、目当てのブースには辿り着けませんでした。その代わりに、間違えた道の先に川田社長がいらっしゃったのが、私とカワタテックの出会いです。ブースの外で学生に声を掛けている企業は他になく、川田社長自ら学生である私に声を掛けてくれたことが印象的で、この企業の選考に進みたいと思いました。その後2月にカワタテックに内定をもらい、未経験の仕事ではありましたが、ものづくりに興味があり、穏やかで自由な社風に、ここなら働けるかもしれないと入社を決めました。
━━カワタテックの魅力は何ですか?
経営が安定していて、海外展開とオーダーメイドで、広い販路があることです。
━━カワタテックの社風・職場の魅力について教えてください。
先輩が優しいです。入社してすぐのころから製造の先輩だけでなく、他部署の先輩からも「今何してるん?」って気さくに話しかけてもらえたりして、こちらからも話しかけやすかったです。
最初は仕事で何をするべきか分からず、先輩方に何度も同じことを聞きに行くこともありましたが、毎回きちんと教えてくれました。親切な先輩のおかげで、まだ仕事に慣れていなかった頃の自分でも「明日も会社に来よう」と思えました。
━━就職活動をされている学生にアドバイスしたいことは?
友人や周りの人の内定が決まったり、卒業までの時間が近づいてきたりで焦るのもわかるけれど、そういうときは一度立ち止まって視野を広げてみてください。想像もしなかった業界にも自分に合った職場があるかもしれません。春や夏といった時期にかぎらず、ご自身のペースでゆっくりでもよいので、自分が一番納得できる会社を見つけてください。きっと自分に合った職場が見つかると思いますよ!